日本大百科全書(ニッポニカ) 「鳥類観測ステーション」の意味・わかりやすい解説
鳥類観測ステーション
ちょうるいかんそくすてーしょん
鳥の移動、渡り、生態などについて、調査したり観測したりする基地となるような施設。渡り鳥の観察、調査などを行いやすいように、その通過路、集合地などに設けるのが一般的で、半島の先端、湖沼、山地などのことが多い。日本では1971年(昭和46)に環境庁(現、環境省)が発足し、鳥類標識調査を行うことになったときに、調査の基地とするために全国に配置された。風蓮(ふうれん)湖(北海道)、下北(青森県)、出水(いずみ)(鹿児島県)などをはじめ2001年現在60か所のステーションは、無設備の調査場所のみのことが多く、建造物を有するのは福島潟(新潟県)、織田山(福井県)など8か所だけである。これらの場所で、1993年以降、年間15万羽以上の鳥に標識がつけられているが、標識調査以外の観測、調査はほとんど行われていない。
[柳澤紀夫]