鴨居瀬村(読み)かもぜむら

日本歴史地名大系 「鴨居瀬村」の解説

鴨居瀬村
かもぜむら

[現在地名]美津島町鴨居瀬かもいせ

小船越こふなこし村の東、対馬海峡に突き出た半島部にある。「津島紀略」では鴨瀬または鴨居瀬と記して加茂税と訓じる。あか島・くろ島をはじめ大小の沖の島々では祭祀遺跡や埋葬遺跡がみられ、なかでも仁兵衛にんべえ島では弥生時代の石棺二基、古墳時代の石棺三基、さらに近世の積石塚二基が発掘調査され、ガラス玉・土器片・鉄刀・人骨・鉄釘・銅銭などが出土。中世与良よら郡のうち。一四世紀半ば頃、宗宗香は「かもせ、よう、あれ、さす、くね、けち、くわ、なむろ、みつさき」などの百姓が、公事を怠り、御領を逃脱し、仁位にい郡や九州などで廻船に乗り、商いに行くために惣領で難儀しているという風聞があるので、帰国しだいに召捕らえ、戒めるよう「すものそつ」殿に命じている(年未詳二月一日「宗宗香書状写」宗家判物写)。応永一一年(一四〇四)一二月二〇日の宗正永書下(与良郷宗家判物写)に「かもせ」とみえ、正永は当浦など四ヵ浦に対して「八かいの大もの」(鯨か海豚か)を催促すべきこと、これに応じない場合は罪科に処すべきことを大山宮内入道に命じた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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