鹿忍村(読み)かしのむら

日本歴史地名大系 「鹿忍村」の解説

鹿忍村
かしのむら

[現在地名]牛窓町鹿忍

現牛窓町南西部を占め、東は牛窓村、西は千手せんず村、久々井くぐい(現岡山市)、南は瀬戸内海に面する。東西に走る牛窓往来に沿って集落が続いている。北・東・西の三方を山に囲まれ、南向きに開けた海は現鹿忍港から北へ入込んだ入江となっていたが、江戸時代初頭までにはすでに塩田として開発されていた。中世には一帯鹿忍庄が成立していた。寛永備前国絵図に村名がみえ、高七九三石余。正保郷帳には枝村として子父雁こぶかり村・小里安こりやす村が載る。「備陽記」には「海辺山寄セ也」とあり、田畑一三二町余、うち塩浜七町四反余、家数三六〇・人数二千四〇〇、小猟船より一九端帆までの船五九、池三八。文化年間の「岡山藩領手鑑」では、直高一千五三五石余で蔵入。反別は田六三町八反余・畑六一町余、塩浜の高九五石・七町四反余、開田畑一一町六反余、家数五五一・人数二千四五六、牛一六九、寺一、社方家三、宮六(社領高一石)、樋四三(守給二石余)、往来飛脚(賃米四斗余)、塩運上一俵につき二分余、池三八、四端帆船三・三端帆船四・二端帆船四七・小猟船一、塚穴三二、古寺跡八、高札一ヵ所。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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