黒人音楽(読み)こくじんおんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アフリカのサハラ砂漠以南の黒人の音楽と西アフリカからアメリカ両大陸に渡った黒人の音楽を含めていう。前者は通常アフリカ音楽と呼ばれている。北アメリカと中南米とでは,白人との混血の度合いを反映して展開の仕方が違う。北アメリカでは,奴隷としての生活苦と改宗したキリスト教の音楽という新しい外的要素が,黒人霊歌 (→スピリチュアル ) ,ブルースゴスペル・ソングなどの音楽様式を生み出した。特筆すべきことは,芸術音楽に発展したジャズの展開を通してアメリカの白人ばかりでなく世界に広く伝播し,ロックなどのポピュラー音楽や,前衛音楽などに大きな影響を及ぼしたことである。他方,中南米では,一部では昔ながらのアフリカ音楽を保っているところもあるが,全般にラテン系ヨーロッパ (特にスペインとポルトガル) の音楽遺産とアフリカからの音楽伝統がさまざまに融合して,いわゆるラテンアメリカ音楽の一部をになっている。これは,特にキューバハイチなどの中米に多い。

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音楽用語ダスの解説

ブラック・ミュージック、言葉の通り、黒人のあるいは黒人による音楽である。そのルーツは、アフリカ大陸にたどり着く。黒人たちによる、躍動的で情熱的なアフリカ音楽は、奴隷となったアフリカ人たちと共に海を渡り、アメリカへ流れ着いた。その結果、ブルースが生まれ、ゴスペルが広がった。アート・アンサンブル・オブ・シカゴのレスター・ボウイは「我々の音楽に細かいジャンル分けは存在しない。我々はみんな偉大なるブラック・ミュージックを演奏しているのだ」と語っている(引用/ジャズ語事典)。いわゆる、ジャズもロックもファンクもブルースもR&B(リズム&ブルース)もラップヒップホップも……すべてブラック・ミュージックという名前の元に平等に存在している。

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世界大百科事典内の黒人音楽の言及

【ブラック・ミュージック】より

…〈黒人音楽〉と訳されるが,1967年に黒人の詩人でジャズ批評家であるリロイ・ジョーンズLeRoi Jones(1934‐ )がこの語をタイトルとした本を出すまで,ほとんど使われたことのない言葉だった。ジョーンズはそれまでの〈ジャズ〉に代わる言葉として使ったが,1970年代以降,アフリカ音楽をも含めたさまざまな黒人音楽がクローズアップされるに及んで,この語はより広い意味で盛んに使われるようになった。…

※「黒人音楽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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