デジタル大辞泉
「と言う」の意味・読み・例文・類語
と‐いう〔‐いふ〕【と言う】
[連語]
1 人が…と呼ぶ。…と呼ばれる。「のっぽさんと言うあだ名」「大国主命と言う神」
2 「と」の受ける事柄を取り立てて強調する意を表す。「人と言うのはわからないものだ」
3 数量を表す語に付いて、…に達する、…にも及ぶ、などの意を表す。「八千メートルと言う高所」「何万人と言う観光客」
4 時を表す同じ語を前後に置いて、それを強調する意を表す。「今日と言う今日は逃さない」
5 事物を表す同じ語を前後に置いて、そのものはすべて、の意を表す。「店と言う店は閉まっている」
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
と 言(い)う
① 人がそう呼ぶ。世間で…と言われる。
※
万葉(8C後)五・八九七「重き馬荷に 表荷
(うはに)打つ等
(ト) 伊布
(イフ)ことの如 老いにてある わが身の上に 病をと 加へてあれば」
※竹取(9C末‐10C初)「いまはむかし、たけとりの翁といふもの有けり」
② 「と」の受ける事柄を特にとりたてる意を表わす。
※
古今(905‐914)春上・四九「ことしより春しりそむる桜花ちるといふ事はならはざらなん〈
紀貫之〉」
※土左(935頃)
発端「をとこもすなる日記といふものを、女もしてみんとてするなり」
③ 数量を示す語について、…に相当するなどの意を表わす。
※竹取(9C末‐10C初)「海にただよひて、五百日と云たつの時ばかりに」
※
蜻蛉(974頃)中「西の宮は、ながされたまひて三日といふに、かきはらひ焼けにしかば」
④ 多くの数量を表わす語を受けて、数量が非常に多いことを表わす。
※
平家(13C前)一一「いく千万といふ数をしらず」
⑤ 「と」の受ける事柄に似ている、そういう
有様であるの意を表わす。
※
洒落本・売花新駅(1777)「この子は丁子やの千山といふ目つきがあるじゃアねへか」
⑥ 「今」「今日」「
今夜」などの間にはさんで、それを強調する。
※
浮世草子・新色五巻書(1698)五「今と云ふ今おもひあたりぬ」
⑦ 同じ
二つの
名詞の間にはさんで、そういわれる物すべての意を表わす。
※足利本人天眼目抄(1471‐73)下「夢と云夢の醒ぬ事はないぞ」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報