ムーア(Wilbert Ellis Moore)(読み)むーあ(英語表記)Wilbert Ellis Moore

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ムーア(Wilbert Ellis Moore)
むーあ
Wilbert Ellis Moore
(1914―1987)

アメリカの社会学者。産業問題、社会変動論がおもな研究分野。ワシントン州に生まれる。リンフィールド大学、オレゴン大学を経てハーバード大学に進み、パーソンズ門下として機能主義社会学理論を学んで、1940年博士の学位を得た。ペンシルベニア州立大学の講師、助教授を経て、1943年プリンストン大学に移り、助教授を経て教授。初め人口問題に興味をもったが、しだいに産業化とそれの人間および社会への影響に関心を集中し、アメリカにおける産業社会学確立に貢献した。そして、産業化現象を基盤として近代社会の構造と変動を巨視的にみる社会変動の理論の構築を目ざした。1964年ラッセル・セイジ財団に招聘(しょうへい)され、1966年にはアメリカ社会学会会長を務め、1970~1987年デンバー大学教授。主著は『産業関係と社会秩序』(1946)、『産業化と労働』(1951)、『社会変動』(1963)、『産業化の社会的影響』(1965)など。

[杉 政孝 2018年11月19日]

『松原洋三訳『社会変動』(1968・至誠堂)』『井関利明訳『産業化の社会的影響』(1971・慶応通信)』『T・ボットモア、R・ニスベット編、W・E・ムーア著、石川実訳『社会学的分析の歴史9 機能主義』(1986・アカデミア出版会)』

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