三保松原・三保浦(読み)みほのまつばら・みほのうら

日本歴史地名大系 「三保松原・三保浦」の解説

三保松原・三保浦
みほのまつばら・みほのうら

三保に鎮座する御穂みほ神社を中心とする海岸一帯をいう。古来景勝の地として知られ、また羽衣伝説でも著名である。標高一〇―一五メートルほどの砂丘松林が連なり、北東方に富士山を望む。三保松原として国指定名勝。和銅元年(七〇八)上野国国司として赴任する途中の田口益人は浄見きよみ崎に至って、「廬原の清見の崎の三保の浦の寛けき見つつもの思ひもなし」と詠んでいる(「万葉集」巻三)。「枕草子」のなかで清少納言は「崎は 唐崎、三保が崎」とあげているが、この三保が崎に関しては、当地のほか出雲国美保みほ(現島根県美保関町)や近江国高島たかしま(現滋賀県高島町)などとする説がある。

三保浦は歌枕として「五代集」「八雲御抄」などの歌学書にあげられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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