飛鳥井雅有(読み)アスカイマサアリ

デジタル大辞泉 「飛鳥井雅有」の意味・読み・例文・類語

あすかい‐まさあり〔あすかゐ‐〕【飛鳥井雅有】

[1241~1301]鎌倉末期の歌人雅経まさつねの孫。家集に「隣女和歌集」など。

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精選版 日本国語大辞典 「飛鳥井雅有」の意味・読み・例文・類語

あすかい‐まさあり【飛鳥井雅有】

  1. 鎌倉中期の歌人。祖父は藤原(難波)雅経。鎌倉幕府に関係が深く、京都と鎌倉を往返している。伏見天皇の代、京極為兼らとともに勅撰集撰者を命ぜられたが中絶。家集「隣女和歌集」、仮名日記嵯峨のかよひ」など。仁治二~正安三年(一二四一‐一三〇一

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「飛鳥井雅有」の意味・わかりやすい解説

飛鳥井雅有
あすかいまさあり
(1241―1301)

鎌倉時代中期の公家(くげ)、歌人。雅経(まさつね)の孫、また、教定(のりさだ)の子。母は北条実時(さねとき)の女(むすめ)。正二位、参議に至る。関東祗候(しこう)の廷臣で、京、鎌倉をしばしば往来した。家業としての蹴鞠(けまり)にも秀で、また、御子左(みこひだり)家との縁戚関係もあって歌人としても知られた。1293年(永仁1)には、二条為世(ためよ)、京極為兼(ためかね)、六条隆博(たかひろ)とともに勅撰(ちょくせん)集撰進を命じられたが、この企画は中絶した。家集に『隣女和歌集』『別本隣女和歌集』があり、日記・紀行に『春の深山路(みやまじ)』『飛鳥井雅有日記』などがある。

[島津忠夫]

『佐佐木信綱校訂『飛鳥井雅有日記』(1949・古典文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「飛鳥井雅有」の意味・わかりやすい解説

飛鳥井雅有
あすかいまさあり

[生]仁治2(1241)
[没]正安3(1301).1.11.
鎌倉時代中期~後期公卿,歌人。雅経の孫。母は北条氏出身。参議,正二位。若い頃,藤原為家阿仏尼の『源氏物語』講義に参加,『弘安源氏論議』 (1280) では中心的存在。持明院統歌壇で活躍し,永仁1 (93) 年伏見天皇計画の勅撰集撰者の一人にもあげられたが,撰者間の意見調整がつかず,挫折した。蹴鞠 (けまり) の名手でもあった。主著『隣女和歌集』 (77) ,『飛鳥井雅有日記』。

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朝日日本歴史人物事典 「飛鳥井雅有」の解説

飛鳥井雅有

没年:正安3.1.11(1301.2.20)
生年:仁治2(1241)
鎌倉時代の歌人,日記文学作者。飛鳥井(藤原)雅経の孫で,教定の子。姉は二条為氏の妻。伏見天皇に仕え,関東祗候の廷臣として京鎌倉を往還。正二位民部卿に至る。飛鳥井雅有日記の総称で4編と,『春の深山路』などの仮名日記を著し,公務の周辺の出来事と私情めかした感慨,風流に遊ぶ生活を語る。古典の学問にも造詣が深く,文永6(1269)年成立の『嵯峨のかよひ』(飛鳥井雅有日記のうちの1編)には阿仏尼の源氏物語朗読を聴講したと伝え,弘安3(1280)年の弘安源氏論義にも参加している。家集『隣女和歌集』があり,『続古今集』以下の勅撰集に73首入集。<参考文献>水川喜夫『飛鳥井雅有日記全釈』

(三角洋一)

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百科事典マイペディア 「飛鳥井雅有」の意味・わかりやすい解説

飛鳥井雅有【あすかいまさあり】

鎌倉時代の歌人。正二位。家集に《隣女和歌集》があり,また蹴鞠に優れた。鎌倉に本拠を持ち,京との間を往還した。《無名の記》《嵯峨のかよひ》《最上の河路》《都路の別れ》《春のみやま路》の日記紀行文学が残るが,いずれも仮名文で書かれ,男性の手になる早い時期の仮名日記として貴重。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「飛鳥井雅有」の解説

飛鳥井雅有 あすかい-まさあり

1241-1301 鎌倉時代の公卿(くぎょう),歌人。
仁治(にんじ)2年生まれ。飛鳥井教定(のりさだ)の子。母は金沢実時(かねざわ-さねとき)の娘。後宇多,伏見,後伏見天皇につかえ,関東伺候の廷臣として京都と鎌倉を往来した。家職の蹴鞠(けまり)にすぐれ,歌は「続(しょく)古今和歌集」などにある。正二位,民部卿。正安(しょうあん)3年1月11日死去。61歳。日記に「飛鳥井雅有日記」,家集に「隣女和歌集」など。

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