大枝橋(読み)うぶたばし

日本歴史地名大系 「大枝橋」の解説

大枝橋
うぶたばし

後良しーら川河口に架かる橋で現在は後良しーら橋という。南の三離みちやーり(現前良橋)に対してにしいの橋ともよばれ、近世には西表いりおもて島北回りの宿道に架かる重要な橋であった。正保国絵図には後良川は「歩渡り」と記されている。三離橋碑と同じ康熙五四年(一七一五)の改修碑が南詰東側の丘上にあるが摩滅が激しい。文章は異なるがほぼ同内容の碑文が八重山島由来記に収載されている。それによると、大枝うぶた村は広い川に囲まれ、川向うの田畑農業を営んでいるが、川に橋がないため農作業も潮位に左右されていた。康熙三五年住民らが木橋を架けたが、わずか四三間の長さでは泥水を避けるだけで不便さの解消には至らず、ことに葬儀の時には不都合であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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