所謂(読み)いわゆる

精選版 日本国語大辞典 「所謂」の意味・読み・例文・類語

いわ‐ゆる いは‥【所謂】

連体〙 (動詞「いう(言)」の未然形上代の受身の助動詞「ゆ」の連体形が付いて一語化したもの)
世間一般にいわれている。また、一般にそうたとえられている。
書紀(720)神代上(水戸本訓)「中に一つの剣有り。此れ所謂(イハユル)草薙剣なり」
大鏡(12C前)三「このおとどは、〈略〉御母、右大臣源能有の御女、いはゆる九条殿におはします」
② すでに周知の。言うまでもない。
今昔(1120頃か)五「所謂る我が生たりし所の五百の卵、此等也」

しょ‐い ‥ヰ【所謂】

〘名〙 いうところ。いわれ。
※九州問答(1376)「但兼日よりも作置事も数寄の所謂也」 〔司馬相如‐難蜀父老文〕

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デジタル大辞泉 「所謂」の意味・読み・例文・類語

いわ‐ゆる〔いは‐〕【×謂】

[連体]《動詞「い(言)う」の未然形+上代の受身の助動詞「ゆ」の連体形から》世間一般に言われる。俗に言う。よく言う。「所謂独身貴族」「これこそ、所謂瓢箪ひょうたんから駒というものだ」

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普及版 字通 「所謂」の読み・字形・画数・意味

【所謂】しよい(ゐ)

いわゆる。世にいう。〔大学章句、六〕謂其のにすとは、自ら欺くこと毋(な)きなり。

字通「所」の項目を見る

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