おっ‐かあ【御母】
①
子供が
母親を呼ぶのにいう、
江戸末期、江戸で中流以下の
用語。おかん。おかあ。おっか。
※
滑稽本・
浮世風呂(1809‐13)前「ホホッ、おっかアか。にくい母
(オッカア)めだの。うなうなをしてやらう」
② (子供の母親の意から転じて) 妻を呼ぶ語。他人の妻をもいう。おっか。
※
人情本・仮名文章娘節用(1831‐34)後「サアおっかアも寝ねへか、
坊主はおれがだいて寝よう」
③ 店などの女主人を親しんで呼ぶ語。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「大津屋の内義(オッカア)にたいそふ世話になったのう」
④ 一般に、中年すぎの年配の女性を親しんで呼ぶ語。
※象やの粂さん(1921)〈
長谷川如是閑〉「『象や、相変わらず元気だね』と通りかかった風船堂のお婆さんが声をかけた。『根っから元気でもないんだよ。
おっかあ』」
お‐かあ【御母】
① 子供が母親をくだけた
調子で呼ぶのにいう語。おかん。おっかあ。
※
咄本・諺臍の
宿替(19C中)
一二「おかあがきいたらびっくりするよって」
② (子供の母親の意から転じて) 妻をくだけた調子で呼ぶのにいう語。おっかあ。
※苦の
世界(1918‐21)〈
宇野浩二〉五「さういふとこへ世話してもらへたら、なア、おかあ」
おっ‐か【御母】
〘名〙
※落語・甲子待(1895)〈柳家禽語楼〉「侍
(さむれ)への
女房(ヲッカ)にしたら宜からうだんべいなんて
評判でがす」
み‐おも【御母】
〘名〙 (「み」は接頭語) 母または
乳母(うば)を敬っていう語。
※
古事記(712)中(古事記伝訓)「御母
(ミオモ)を取り、
大湯坐(おほゆゑ)、
若湯坐(わかゆゑ)を定めて」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「御母」の意味・読み・例文・類語
み‐おも【▽御▽母】
母、または乳母を敬っていう語。
「―を取り、大湯坐、若湯坐を定めて」〈記・中〉
お‐かか【▽御▽母/▽御×嬶】
「かか」を丁寧にいう語。母・妻また他家の主婦を呼ぶときに用いる。
お‐かん【▽御▽母】
《「おかあはん」の変化した語》関西系方言で、子供が母親を呼ぶ語。また、夫が妻を呼ぶ語。
お‐かあ【▽御母】
《「おかあさん」の略》子供が母親を親しんで呼ぶ語。また、夫が妻を呼ぶ語。
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