髪剃(読み)こうぞり

精選版 日本国語大辞典 「髪剃」の意味・読み・例文・類語

こう‐ぞりかう‥【髪剃】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かみそり」の変化した語 )
  2. 髪をそる小型の刃物。こうずり。かみそり。
    1. [初出の実例]「御もとどりを手づからかうぞりして切り給ひにければ」(出典:多武峰少将物語(10C中))
  3. 髪をそること。また、そる人。こうずり。かみそり。
    1. [初出の実例]「親が子供の髪剃(カウゾリ)はほんの月代逆剃(さかぞり)にせうかいの」(出典浄瑠璃壇浦兜軍記(1732)三)
  4. 髪をそって仏門に入ること。また、死者に戒を授けて髪を剃ること。こうずり。
    1. [初出の実例]「わざとならず、いひ消たせ給へるは、げに、かうそりも捨てつべき様なり」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)三)
  5. 真宗で在家信者の頭に剃刀(かみそり)をあてがうだけの儀式をして仏門に帰依した証とすること。帰敬式(ききょうしき)。こうずり。おかみそり。

こう‐ずりかう‥【髪剃】

  1. 〘 名詞 〙
  2. こうぞり(髪剃)
    1. [初出の実例]「鳴神がかふずりをあてて、御仏の弟になったがよい」(出典:歌舞伎・鳴神(1742か))
  3. こうぞり(髪剃)
    1. [初出の実例]「だんな寺へゆき、こうずりをうけ、ばうづになりしとは、ちとはやまったしかたなり」(出典:黄表紙・三筋緯客気植田(1787)中)
  4. こうぞり(髪剃)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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