xを未知数とする方程式2x+3=0を考えよう。両辺から3を引いて,2x=-3を得る。両辺を2で割れば,x=-3/2となって,これが解である。一般にxを未知数とする方程式ax+b=0を一次方程式という。上記の特別な場合と同様に,両辺からbを引くとax=-bとなるから,a≠0ならば,この両辺をaで割って,x=-b/aを得る。したがって,a≠0ならば-b/aが解である。a=0でb≠0ならば,この方程式は解をもたない。a=b=0のときは,xが何でも解になる。ax=bという形の方程式も一次方程式といわれる。これは上記の方程式と本質的には同じものである。またx2+2x+3=x2+x+5のように,見かけは一次方程式でなくても,整理するとx-2=0となって一次方程式になるものがある。これも一次方程式と呼ばれることがある。
(x,y)平面でy=ax+bのグラフを考えれば,x軸y=0と直線y=ax+bの交わりのx座標がax+b=0の解である。a≠0ならば,これはx切片であるが,a=0ならば,b=0であるかどうかによって,2直線y=0とy=ax+bが一致してしまうか,まったく交点がないかが決まる。a≠0でa,bが有理数,実数,複素数であれば,ax+b=0の解はそれぞれ有理数,実数,複素数である。しかし,整数の範囲で考えると,a≠0でも解があるとは限らない。例えば,最初の例2x+3=0の解は有理数で考えれば-3/2であるが,整数の範囲では解がない。aがbの因数である(b=ac,cは整数)のときだけax+b=0に整数の解があって,x=-cが解である。x1,……,xnを未知数とする方程式a1x1+a2x2+……+anxn+b=0も一次方程式といわれる。
→連立一次方程式
執筆者:丸山 正樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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