化学辞典 第2版 の解説
2,2′-アゾビスイソブチロニトリル
アゾビスイソブチロニトリル
2,2′-azobisisobutyronitrile
C8H12N4(164.21).略称AIBN.アセトン,硫酸ヒドラジン,シアン化水素から合成するが,2,2′-ジクロロ-2,2′-アゾプロパンからヒドラゾビスイソブチロニトリルを合成し,それを次亜塩素酸で酸化して得られる.無色の結晶.融点107 ℃(分解).エーテル,エタノールに可溶,水に不溶.約80 ℃ 以上に加熱すると窒素を発生し,テトラメチルスクシノニトリルC6H12(CN)2になる.この分解反応過程で生成する1-シアノ-1-メチルエチルラジカルを利用して,ラジカル反応開始剤として広く用いられている.そのほか,スポンジなどの製造用発泡剤として,ゴム,エポキシ,および塩化ビニル樹脂の発泡体製造に用いられる.生体内ではシアン化水素を発生する.LD50 0.7 g/kg(マウス,経口).[CAS 78-67-11]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報