次亜塩素酸(読み)じあえんそさん(英語表記)hypochlorous acid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

次亜塩素酸
じあえんそさん
hypochlorous acid

化学式 HClO 。遊離の状態では存在せず,水溶液中でだけ安定である。塩素に水が作用すると生成する。最高濃度 25%水溶液は淡黄色,特臭あり。-20℃では数日間保存が可能である。徐々に分解して塩素,酸素および過塩素酸を生じる。酢酸よりも弱い酸であるが,強力な酸化剤で,ナトリウム塩は酸化漂白剤として重要である。

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世界大百科事典 第2版の解説

じあえんそさん【次亜塩素酸 hypochlorous acid】

化学式HClO。水溶液としてのみ存在する塩素のオキソ酸で,単離はされない。酸化水銀(II)を四塩化炭素に懸濁させ,塩素を通じたのち水で処理すると水溶液中にHClOが生ずる。酸化ビスマスを水に懸濁させ塩素を通じても得られる。また,さらし粉に水を加え二酸化炭素気流中で蒸留するか,水酸化カリウム水溶液に塩素を吸収させたのち硫酸を加えて蒸留しても得られる。水溶液を減圧濃縮すれば25%までの濃厚溶液を得ることができるが,さらに減圧濃縮するとCl2Oとなる。

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大辞林 第三版の解説

じあえんそさん【次亜塩素酸】

弱酸性・強酸化性の一塩基酸。酸化水銀(Ⅱ)を四塩化炭素に懸濁させて塩素を通じたのち水で処理すると得られる。また、塩素を水に溶かしたとき塩酸とともに生じる。化学式 HClO 水溶液中にのみ存在する。そのナトリウム塩は酸化漂白剤・殺菌剤として知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

次亜塩素酸
じあえんそさん
hypochlorous acid

塩素のオキソ酸の一つ。水溶液としてのみ存在する。きわめて弱い一塩基酸。最高濃度は約25%。化学式HClO、式量52.5。塩素水中に次の平衡を保って存在する。
  Cl2+H2OHClO+HCl
水に直接塩素ガスを通して薄い溶液が得られるが、酸化水銀()を水に懸濁させ塩素を通し、濾液(ろえき)を減圧蒸留すると濃厚溶液が得られる。濃厚溶液は淡黄色で、特有の刺激臭がある。極低温では安定であるが、常温では徐々に酸素を放って塩酸に分解する。アルカリ性溶液で塩化物と塩素酸に不均化するが、その反応速度は冷時に小さく、熱時に大きい。強い酸化作用を示し、硫黄(いおう)、リンをそれぞれ硫酸、リン酸に酸化する。蒸気相のHClO分子は折れ線形である。漂白剤、殺菌剤として、その塩(カルシウム塩はさらし粉の主成分)が使われる。[守永健一・中原勝儼]

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精選版 日本国語大辞典の解説

じあ‐えんそさん【次亜塩素酸】

〘名〙 きわめて弱い酸で、水溶液としてだけ存在する。化学式 HClO 不安定で酸素を放って分解しやすい。そのカルシウム塩はさらし粉の原料として知られる。

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