ホルミウム(読み)ほるみうむ(英語表記)holmium

翻訳|holmium

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホルミウム」の意味・わかりやすい解説

ホルミウム
ほるみうむ
holmium

周期表第3族、希土類元素に属するランタノイド元素の一つ。1879年スウェーデンのクレーベPer Theodor Cleve(1840―1905)によって発見され、彼の故郷ストックホルムの古称Holmiaにちなんで名づけられた。天然にはユークセン石、ガドリン石などに含まれる。希土類元素のうちもっとも希産のものの一つ。塩化物アルカリ金属で還元するか、溶融塩電解によって金属を得る。銀白色の金属。空気中に放置すると表面が酸化され、熱すると酸化物となる。熱水、酸に水素を発生して溶ける。化合物の酸化数は+Ⅲ。化合物は黄色のものが多い。

[守永健一・中原勝儼]



ホルミウム(データノート)
ほるみうむでーたのーと

ホルミウム
 元素記号  Ho
 原子番号  67
 原子量   164.9304
 融点    1470℃
 沸点    2690℃
 比重    8.795(測定温度25℃)
 結晶系   六方
 元素存在度 宇宙 0.090(第76位)
          (Si106個当りの原子数)
       地殻 1.2ppm(第55位)
       海水 0.22×10-3μg/dm3

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ホルミウム」の意味・わかりやすい解説

ホルミウム
holmium

元素記号 Ho ,原子番号 67,原子量 164.93032。周期表3族,希土類元素でランタノイド元素の1つ。天然にはユークセン石,ガドリン石などの中に他の希土類元素とともに産する。地殻における存在量 1.2ppm,海水中の濃度 0.0009 μg/l単体は金属で,融点 1461℃,比重 8.803,酸化数3。化合物の結晶および水溶液の色は褐緑色。ジスプロシウム化合物とともに希土類元素化合物中最も大きい常磁性を示す。 1879年 P.クリーブによって発見され,彼の故郷ストックホルム (ラテン語でホルミア) にちなんでホルミウムと命名された。

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