5-フルオロウラシル(読み)ごフルオロウラシル

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「5-フルオロウラシル」の意味・わかりやすい解説

5-フルオロウラシル
ごフルオロウラシル

5-FU癌細胞DNAを合成する際のピリミジン代謝系の拮抗物質として作用し,癌細胞の核酸合成を阻害する抗悪性腫瘍剤。さらに,5-FUはウラシル類似体であるため RNAにも取込まれ,癌細胞の代謝系を阻害するといわれている。胃癌腸癌等の消化器系癌,子宮癌卵巣癌肝癌膵臓癌などには注射剤として適用され,肺癌頭頸部癌などには他の薬剤や放射線療法などとの併用療法が効果をあげている。副作用も比較的少なく,長期間の投与が可能である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android