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6者協議の合意 6しゃきょうぎのごうい/ろくしゃきょうぎのごうい

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知恵蔵2015の解説

6者協議の合意

6者(6カ国)協議は、北朝鮮核兵器開発問題を外交交渉で解決することを目指す枠組みである。中国を議長国にして、北朝鮮と米国、日本、韓国、ロシアで構成し、2003年8月に始まった。初の具体的な成果は05年9月に採択した共同声明だ。北朝鮮のすべての核兵器と既存の核計画の放棄、米朝・日朝の関係正常化、北朝鮮に対する5者の経済・エネルギー支援、北東アジアの平和と安定という、6者が目指す目標をうたった。06年10月9日に北朝鮮が地下核実験を強行し、6者協議の存続を危ぶむ声も一部にあったが、その約3週間後に米朝中3者が協議再開を確認し合った。07年2月13日には共同声明に次ぐ成果である合意文書を発表した。60日以内に取るべき「初期段階の措置」として、(1)北朝鮮は寧辺(ニョンビョン)地域にある核施設の稼働停止・封印、(2)他の5者は重油5万トンの緊急エネルギー支援、(3)日朝は過去清算・懸案解決を基礎に国交正常化へ協議、(4)米朝は完全な外交関係を目指す協議、米国は北朝鮮に対するテロ支援国家指定を解除する作業の開始、などを明記した。さらに「次の段階の措置」として、(1)北朝鮮はすべての核計画の完全な申告と、すべての既存の核施設の無能力化、(2)5者は重油95万トン相当の経済・エネルギー・人道支援、を掲げた。こうした合意達成の背景には、ブッシュ米政権が07年1月から北朝鮮との直接協議に本格的に乗り出すという大きな政策転換があった。ただ、実際の核施設の稼働停止・封印は、中国マカオの地場銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)で凍結された北朝鮮関連口座について米国もからむ凍結解除に手間取ったため、合意から60日以内には実行されなかった。口座凍結が解除され、韓国から支援重油第1陣が北朝鮮に届くのと同時の07年7月、北朝鮮は5000kW級の黒鉛減速型実験炉と使用済み核燃料再処理施設「放射化学研究所」、核燃料製造施設という主要な3施設を含む5カ所の停止・封印に着手した。稼働停止は4年半ぶりで、北朝鮮は国際原子力機関(IAEA)の要員常駐も受け入れた。重油支援は韓国に次いで中国、米国が実施し、ロシアも加わった。だが日本は、拉致問題の進展がないことを理由に07年末現在まだ参加していない。07年10月3日には、同年2月合意のうちの「次の段階の措置」に関して、より詳しい合意が発表された。北朝鮮の核施設の無能力化については、プルトニウム型核兵器開発に利用されてきた前出の主要3施設を07年内に完了する、「すべての核計画の完全かつ正確な申告」も同年内に行う、というものだ。同年9月の米朝直接協議で、この無能力化と申告という2つの課題実行は、米国のテロ支援国家指定解除などと同時進行の組み合わせになった。無能力化の作業は、放射能に汚染された施設の清浄に時間がかかるなどで、物理的に年内完了は不可能となったものの、全体では進みつつある。だが、「完全かつ正確な申告」は越年することになった。それは、申告のなかに、過去のプルトニウム抽出量や核兵器への転用量、保管の場所はもちろん、プルトニウム型とは違うウラン濃縮型の核計画や、外国への核技術拡散に関する疑惑をどう表現して懸念を解消していくか、それに米国のテロ支援国家指定解除をどう組み合わせるか、といった正念場の課題に、米朝や6者間でまだ合意できていないためだ。

(小菅幸一 朝日新聞記者 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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