77ヵ国グループ(読み)ななじゅうななかこくグループ(英語表記)Group of 77

百科事典マイペディア 「77ヵ国グループ」の意味・わかりやすい解説

77ヵ国グループ【ななじゅうななかこくグループ】

Group of 77からG77とも。1964年の国連貿易開発会議UNCTAD)第1回総会終了後に,アジアアフリカラテンアメリカ発展途上国77ヵ国が結集して作ったグループ。南北格差の是正,工業化の推進,資源主権の確立などを共通のテーマとし,新国際経済秩序形成に寄与した。その後加盟国は増加し,1998年4月現在,160ヵ国・地域が加盟,これは世界の約8割の国が加盟していることになる。国ごとに1人当りGNPでみると,2万ドルを超える産油国から,100ドル前後の最貧国までの国々が加盟している。→後発発展途上国
→関連項目南北問題

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「77ヵ国グループ」の意味・わかりやすい解説

77ヵ国グループ
ななじゅうななかこくグループ
Group of 77

1964年の国連貿易開発会議 UNCTADの第1回総会後に,正式に結成された発展途上国のグループ。前年,同会議の準備のためにアルジェに集った発展途上国が 77ヵ国あったことから,この名で呼ばれる。その後参加した途上国も多く,構成メンバーは次第にふえ,92年末では 147ヵ国。同グループは UNCTADの各回ごとに独自の準備会議としての「77ヵ国閣僚会議」を開き,第2回にはアルジェ憲章,第3回にはリマ宣言,第4回にはマニラ宣言をもってのぞみ,先進国に統一要求を突きつけた。 77ヵ国グループには1人あたりの国民所得が2万ドルに及ぶ産油国から 100ドル前後の低所得国までが含まれ,内部における深刻な経済格差を内包していることから,参加国間の利害対立が絶えない。

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世界大百科事典(旧版)内の77ヵ国グループの言及

【国際連合】より

…戦後,アジア,アフリカ,米州地域の植民地住民が自決権を行使して独立を達成したが,これら新興独立国のかかえる共通の問題は,独立はしたものの,経済的自立がともなわず,植民地時代の経済体制から脱却できないまま先進工業国との経済格差がますます広がるという厳しい現実であった。こうした南北間の富の偏在の是正のため,今や国連で多数派になった南の新興国は,いわゆる〈77ヵ国グループ〉を結成して,国連に強い措置を求めるようになった。その要請にこたえるべく,国連は1960年代を〈国連開発の10年〉として,南北問題の解決に取り組むことになった。…

【南北問題】より

…この会議で同時に〈発展途上国(開発途上国)developing countries〉という言葉が用いられ,それまでの〈後進国backward countries〉〈低開発国under‐developed countries,less‐developed countries〉に代わって,国連用語に採用されることになった。64年にジュネーブで開かれた国連貿易開発会議United Nations Conference on Trade and Development(UNCTAD(アンクタツド))で,3大陸の国々は77ヵ国グループ(略称Group77。以下G77と記す。…

※「77ヵ国グループ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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