知恵蔵 「ChromeOS」の解説
Chrome OS
ウェブ操作を主体とするシンプルなウィンドウシステムを採用。インターネット経由でウェブ上のアプリケーションを利用し、データもインターネット上に保存するなど、クラウドに特化している。OS起動後に数秒でウェブにアクセスできる点が大きな特徴。
WindowsやMacOSの動作環境であるx86プロセッサーの他に、多くのタブレットやスマートフォンが動作環境としているARMプロセッサーにも対応しているため、Chrome OSが利用できるハードウエアの選択肢は多い。しかし、Chrome OSは、ネットブックからデスクトップPCまでを対象ハードウエアとしており、同社のタブレット、スマートフォン向けOSであるAndroidとの棲(す)み分けを図っている。
最初からChrome OSを搭載したネットブック「Chromebook」も発売されている。「Chromebook」は、エイサー(Acer)とサムスン電子の2社からオンライン販売されており、12年5月現在で最も安いものは、エイサー社の製品で299.99ドル。同製品は、11.6インチ液晶で、中央演算処理装置(CPU)はIntel社のAtom N570 1.66ギガヘルツ。2ギガバイトのメモリーと16ギガバイトのSSD(フラッシュメモリドライブ)を搭載するWIFIタイプである。
現在、日本国内での「Chromebook」の販売は行われていないが、米Amazonなどから購入することは可能で、日本語環境も用意されている。ちなみに米国では、学校や企業向けに月20~30ドルで利用できる月額制プランもある。
Chrome OSは、クラウドを重視した結果、ローカルデータを保存する場合のファイル管理システムが乏しい。しかし、12年4月Google社がスタートさせたオンラインストレージサービス「Google Drive」の登場により、ローカルディスクに保存する感覚でローカルデータを「Google Drive」に保存できるようになったため、パソコン操作の大半が、ウェブサイトの閲覧やウェブアプリケーションの利用というユーザーにとっては、魅力ある製品の一つとなった。
(横田一輝 ICTディレクター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報