近代運動に関する建物、敷地、環境の、資料化と保存を目指す非営利国際組織。正式名称はInternational Working Party for Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modern Movements。1989年、オランダのアイントホーヘン工科大学を中心に設立された。近代建築と都市環境に関する資料調査や情報交換、破壊の監視、社会一般の啓蒙、重要作品の保存と登録などが主な活動方針。近代建築の保存のための国際的コンセンサスを確立し、ネットワークとデータベースを構築することを目指している。90年に開かれた第1回以後1年おきに国際会議を定例開催しており、現在では参加国・都市は40を超える。本部はパリ。ワーキンググループが文化遺産として独自に20作品を選出するなど、日本の建築界でもこの国際運動に同調する動きが早くから見られ、2000年にはDOCOMOMO Japanを正式に設立、さらに03年には1920〜60年代のモダニズム建築のなかから100作品を選出した。比較的新しい時代の産物であるモダニズム建築を文化遺産として後世に残すことによって、建築や都市を巡る議論が活性化されることが期待されている。