DRAM(読み)でぃーらむ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「DRAM」の意味・わかりやすい解説

DRAM
でぃーらむ

読み書き用の半導体メモリーの一種dynamic random access memory略語。パソコン用のメインメモリーとして一般的に使われている。高集積化が可能で大容量のものが量産化されている。DRAMは電気信号を微小コンデンサーに蓄える方式であるため、電荷の漏れを一定の周期で同じ情報を書き込み直してリフレッシュさせる必要がある。別にSRAM(エスラム)(スタティックRAM)とよぶ半導体メモリーは、リフレッシュは不要で高速ではあるが、消費電力が大きく集積度も劣る。DRAMは小型、低消費電力で速度も比較的速いので、コンピュータ、画像装置などのキーデバイスとして需要は大きい。

 アメリカのインテル社が1970年リフレッシュ動作の7ビットカウンター内蔵の1キロビットDRAMをつくったのが最初である。続いて、1973年にはテキサス・インスツルメント社がトランジスタ1個・コンデンサー1個で4キロビットのDRAMをつくり、その後、半導体製造技術の進歩に伴い3年で4倍と高集積化が世界で進められ、今日では主力品は2ギガビットに達している。

[岩田倫典]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「DRAM」の意味・わかりやすい解説

DRAM
ディーラム

いつでも書き込み・読み出しが可能な半導体メモリ,ラム RAMの一種。 dynamic random access memoryの略。集積回路中に組み込まれたコンデンサにためた電荷の有無で情報を記憶する仕組みだが,電荷は徐々に放電して失われる。このため一定時間ごとに情報を読み出し,書き込み直すリフレッシュという操作を繰り返して記憶を保持し続けることから,ダイナミックを冠する。これに対し二つの安定した電気的状態をもつ回路フリップフロップを使ったSRAMは,書き直しの必要がないので動作は高速である。 DRAMは SRAMよりも速度は遅いが,1ビットの記憶をするのに一つのコンデンサと一つのトランジスタという簡単な構造ですみ,SRAMの約4倍の高密度で製造できるためコンピュータの主記憶 (メインメモリ) などに広く使われるほか,ビデオ装置などのデジタル家電などでも多く使われている。大容量化,高速化が常にその課題となっている。

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