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科学衛星 かがくえいせいscientific satellite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

科学衛星
かがくえいせい
scientific satellite

上層大気の組成宇宙線太陽放射線,電離層磁場天体,宇宙などの科学的な観測目的とした人工衛星。アメリカの宇宙背景放射観測衛星「コービー」や日本のX線天文衛星ぎんが」などが有名。日本では,宇宙航空研究開発機構が鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げている。

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世界大百科事典 第2版の解説

かがくえいせい【科学衛星 scientific satellite】

大気の組成や密度,重力場や磁場,宇宙線など地球を取り巻く環境の観測・調査や,大気圏外からの天体の観測などを目的とした人工衛星。人工衛星という新しい観測手段を得て天文,地球物理といった物理学の諸分野は飛躍的な発展を遂げるに至った。地磁気,高層大気など地球を取り巻く環境をその場で直接計測することができ,さらに太陽系の諸惑星にも到達できるようになった。また大気圏外を周回する衛星からの天文観測によって,大気層にじゃまされずにより精度の高いあるいは新しい現象の観測が可能となった。

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大辞林 第三版の解説

かがくえいせい【科学衛星】

天体の観測や地球環境の調査などの科学的研究を目的とする人工衛星。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

科学衛星
かがくえいせい
science satellite

地球周辺や宇宙空間に関する科学的観測を行うことを目的として打ち上げられる人工衛星。
 科学衛星はその目的によって二つに分類される。一つは地球周回軌道を飛行しながら、地球大気や電離層などの観測、天体観測(光や赤外線を発する天体、高エネルギーの宇宙線(X線、γ(ガンマ)線など)を発する天体の観測)などの科学観測を行うものである。二つ目は、地球周回軌道から離脱して月、小惑星、太陽系惑星に近づき、その引力により周回軌道に入り科学観測を行うものや、目的の天体に軟着陸して土壌や岩石のサンプルを収集し、地球に帰還するものである。これらは「探査機」とよばれる。科学衛星は最先端の技術を駆使して宇宙や地球の起源の解明、人類の活動領域を宇宙に拡大するなど、最先端の科学研究に貢献している。
 日本の科学衛星の実績を振り返ると、地球周辺の電子密度やプラズマ波の観測を目的とした衛星では、「しんせい」(1971)が打ち上げられた。これに続き「きょっこう」(1978)、「じきけん」(1978)、「おおぞら」(1984)、「あけぼの」(1989)、「ジオテイルGeotail」(1992)などが打ち上げられている。高エネルギー天体の観測を目的とした衛星では、「はくちょう」(1979)、「てんま」(1983)、「ぎんが」(1987)、「あすか」(1993)、「すざく」(2005)などが打ち上げられた。「ひりゅう」(2000)は打ち上げ失敗、「ひとみ」(2016)は、打ち上げそのものは成功したが、軌道投入直後に制御を失い観測はできなかった。太陽表面の磁気活動やコロナの観測を目的とする衛星では、「たいよう」(1975)、「ひのとり」(1981)、「ようこう」(1991)、「ひので」(2006)が打ち上げられた。惑星分光観測衛星では、「ひさき」(2013)、赤外線天体観測衛星では、「あかり」(2006)が超新星爆発やその残骸の観測を実施した。電波天文衛星「はるか」(1997)は、超長基線電波干渉法(VLBI:Very Long Baseline Interferometry)で活動銀河核の高解像度観測を実施した。火星大気の構造などを観測する「のぞみ」(1998)は、火星周回軌道への投入に失敗した。ハレー彗星(すいせい)の分光観測衛星では、「すいせい」(1985)が太陽周回軌道に投入された。「かぐや」(2007)が月周回軌道に投入され、日本初の月面観測が行われた。小惑星探査機「はやぶさ」(2003)は、小惑星イトカワからのサンプルリターンに成功し、世界の注目を集めた。金星探査機「あかつき」(2010)は、金星周回軌道投入に当初失敗したが、再度のチャレンジで無事周回軌道に乗せることに成功した。[森山 隆]
『斎藤成文著『日本宇宙開発物語――国産衛星にかけた先駆者たちの夢』(1992・三田出版会) ▽木田隆・小松敬治・川口淳一郎著『宇宙工学シリーズ3 人工衛星と宇宙探査機』(2001・コロナ社) ▽槙野文命著『科学衛星と宇宙ステーション』(2004・岩波書店) ▽的川泰宣著『日本の宇宙開発の歴史(宇宙研物語)』(2008・宇宙科学研究所)』

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