G蛋白質(読み)ジータンパクシツ

デジタル大辞泉 「G蛋白質」の意味・読み・例文・類語

ジー‐たんぱくしつ【G×蛋白質】

細胞内に存在する蛋白質一つグアニンヌクレオチド結合蛋白質の略。GTPGDPと結合して、細胞内の信号伝達に関与する。

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化学辞典 第2版 「G蛋白質」の解説

Gタンパク質
ジータンパクシツ
G protein

膜7回貫通型受容体刺激を細胞内に伝える中継役.グアニンヌクレオチドを結合するところからこの名がある.αβγサブユニットからなる.受容体に結合している状態では,αサブユニットにGDPが結合しているが,受容体刺激を受けると,GDPがGTPと入れ替わり活性化される.これに伴い,αβγからαとβγの二つに分かれ,それぞれの標的タンパク質に作用する.多数のサブタイプが存在し,たとえばアデニルシクラーゼに作用し,サイクリックAMPの産生を促進するものをGs,抑制するものをGi,あるいはホスホリパーゼCを活性化してイノシトールトリス(リン酸二水素)(IP3)を産生するものをGqというように分類している.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「G蛋白質」の意味・わかりやすい解説

G蛋白質
ジーたんぱくしつ
G protein

細胞の外側からのさまざまな情報を細胞内に伝達する仲介役を果している蛋白質の1種で,細胞膜に存在する。 GTP (グアノシン三リン酸) と結合して活性化することからG蛋白質と呼ばれる。活性化したG蛋白質は受容体系と増幅機構システムとの間を往復し,第2メッセンジャーと呼ばれる cAMP (サイクリック AMP) の増産を始め,それによって情報が伝達される。「G蛋白質の機能の変化によって,疾病の多くの兆候を説明できる」という点が評価されて,アメリカ国立環境衛生科学研究所 (NIEHS) の M.ロッドベルと,テキサス大学の A.ギルマンが 1994年度ノーベル生理学・医学賞を受賞した。

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