六訂版 家庭医学大全科 の解説
HTLV1によるミエロパチー(HAM)
エイチティーエルブイ1によるミエロパチー(HAM)
HTLV-1 associated myelopathy (HAM)
(脳・神経・筋の病気)
どんな病気か
レトロウイルスの一種であるヒトTリンパ球好性ウイルスⅠ型(HTLV1)の感染により
成人での発症が一般的ですが、若年の発症例もあります。男女比は1対2~1対2.5で女性に多く発症します。
原因は何か
感染経路は2~3割の患者が輸血由来であり、それ以外の大半は母から子どもへの垂直感染で、一部は性交(男→女)で感染します。しかし、脊髄にウイルスが直接的に感染している証拠はなく、おそらく自己免疫的機序(仕組み)により発症するものと考えられています。
好発部位である胸髄中下部の
症状の現れ方
ゆっくり進行する
発症後の症状の進行には個人差がみられます。また、病原ウイルスがTリンパ球に感染するため、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患を合併することがあります。
検査と診断
治療の方法
副腎皮質ステロイド薬の投与やアザチオプリンなどの免疫抑制薬の投与で、しばしば症状の改善がみられます。
吉井 文均
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報