償還までの期間が短い国債を中心とした公社債やコマーシャルペーパー(CP)などで運用する投資信託。1992年5月に取り扱いが始まった。証券会社や銀行の窓口で契約する。資金の出し入れがしやすい利便性が特長のひとつ。安全性も比較的高いとされるが、2001年に破綻した米エネルギー会社の社債を組み込んだMMFが元本割れしたことがある。
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短期金融市場(マネー・マーケット)の商品を対象に運用されるアメリカの投資信託商品であるMMF(Money Market Fund)をモデルにして、日本で商品化された追加型公社債投資信託の一種。1992年(平成4)5月から販売された。毎日決算を行い、収益分配金は月末にまとめて再投資するため、複利効果を発揮する。購入後30日以上経過すれば、いつでも無手数料で換金することができる。
投資対象は、国内外の公社債(国債、地方債、政府保証債、社債)やコマーシャルペーパー(commercial paper=CP)、譲渡性預金(certificate of deposit=CD)などの短期金融商品が中心で、株式はいっさい組み入れない。リスクを低く抑えながら安定した収益確保を目ざすが、投資成果は運用実績によって変動するため、運用会社によって利回りは異なる。申込単位は1円以上1円単位で、申込日の正午までに入金が確認されれば当日の分配金が支払われる。投資家にとって総じて利便性の高い商品であるが、換金に際しては販売会社によって当日引出しの限度額が定められているほか、購入後30日未満では信託財産留保額が差し引かれるなどの制約もある。
[高橋 元]
アメリカで広く普及している貯蓄性の短期投資信託。格づけの高い短期国債や社債で運用しており、日本の銀行預金のように安全な金融商品とみなされていた。だが2008年9月のアメリカ大手証券会社リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)で、同社の社債を組み込んだ大手運用会社リザーブ・マネジメント社のMMFが元本割れし、取り付けさわぎが起き、信用が大きく揺らいだ。このためアメリカ財務省はMMFの元本を保証する制度を導入した。MMF残高は2008年秋頃に約3兆7000億ドルあったとされるが、投資家の解約が相次ぎ、一時は5000億ドルを超える資金が流出したという。この際、投資家やファンドが一斉に現金化したため、短期金融市場はドル資金が枯渇する事態に陥った。
日本では外貨MMFの名称で、国内証券会社や銀行が取り扱っている。外国為替(かわせ)変動リスクがあるが、外貨預金と違って為替差益に税金がかからず、為替手数料も安い傾向にある。日本国内の短期性債券を中心に運用する公社債投資信託、マネー・マネジメント・ファンド(MMF)とは別の金融商品。
[編集部]
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