国連工業開発機関United Nations Industrial Development Organizationの略称。国連総会の決議により1967年に発足した,発展途上国の工業化を技術面で援助するための国連下部機関である。加盟国は2005年現在171ヵ国で,本部はウィーン。加盟国からの自発的拠出金,国連の通常技術援助費,やはり国連内の機関である国連開発計画(UNDP)の援助資金を財政的基盤として,発展途上国工業化のための技術援助と研究調査を行っている。おもな事業活動は,工業化計画策定,産業訓練のための専門家,技術者を発展途上国へ派遣すること,先進工業国での発展途上国の人材の訓練・研修,それに,発展途上国の工業化に関する情報の収集・分析を行うことによって工業化計画の基礎資料を提供することである。日本はこの機関の発足以来の理事国であり,上記の活動にも積極的に協力している。財政,運営の面で国連総会から独立した専門機関とすることが決まり,1986年1月より国連16番目の専門機関として発足。
執筆者:川鍋 襄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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[国際機関]
全地球的視野で解決を要する天然資源,食糧,環境,衛生,エネルギーなどの諸問題についての活動が展開され,また発展途上国の国民経済の発展を図るための科学技術力の強化を図る援助活動が続けられている。国連における〈開発のための科学技術政府間委員会〉〈新・再生可能エネルギー政府間委員会〉などは総合的なものであるが,発展途上国援助につき国連開発計画(UNDP),国連貿易開発会議(UNCTAD),国連工業開発機構(UNIDO)などの機構において技術協力が活発化しており,また宇宙空間平和利用委員会,国連環境計画(UNEP)などの活動のほか,国際原子力機関(IAEA),国連食糧農業機関(FAO),世界保健機関(WHO),国連教育科学文化機関(UNESCO)等の専門機関が,それぞれ技術援助や情報活動を行っている。また経済協力開発機構(OECD)においては,科学技術政策委員会(CSTP)などいくつかの委員会で交流が行われている。…
※「UNIDO」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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