知恵蔵 「XPサポート終了」の解説
XPサポート終了
サポート終了後はマイクロソフト社から、XPに関する不具合修正や、セキュリティー強化などの更新プログラムが提供されないため、インターネットなどのネットワーク経由で、悪意のあるソフトウエアに感染し、パソコン内部のデータが漏洩(ろうえい)したり、他のコンピューターを攻撃し、利用不可にするための踏み台にされたりする危険性が高くなる。
パソコン用OSなど、コンピューター上のソフトウエアは、脆弱(ぜいじゃく)性と呼ばれる、セキュリティー上の弱点を作り出す欠陥や仕様上の問題を抱えている。そのため、マイクロソフト社を始めとする多くのソフトウエアメーカーは、日々脆弱性の問題を調査し、セキュリティー対策用の更新プログラムを無償で提供している。サポート終了後も、引き続きXPを使うことは可能だが、今後XP向けのセキュリティー更新プログラムが入手できなくなるため、これまで以上に脆弱性が高まり、利用上の危険度が増すことが懸念されている。
XP利用者はサポート終了後までに、Windows7やWindows8といった、最新OSへ移行することが望ましい。しかしパソコン自体が古いことも多く、OSの入れ替えだけで解決するケースは少ない。また、何十台、何百台ものXPパソコンを入れ替える必要のある法人などでは、予算の捻出が問題となっている。このため、マイクロソフト社ではサポート終了直前まで最大7カ月の支払いを据え置き、最新のWindows 8 Proを搭載したパソコンを、分割金利ゼロで提供する移行支援キャンペーンなどを実施している。
(横田一輝 ICTディレクター / 2013年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報