ずんだ餅(読み)ズンダモチ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ずんだ餅」の意味・わかりやすい解説

ずんだ餅
ずんだもち

枝豆をゆでて皮をむき、すりつぶしたものを「ずんだ」という。じんだ餅とも。宮城県中心東北地方一帯では、和(あ)え物や餅にずんだをよく使う。宮城県周辺では夏から初秋にかけて良質の枝豆がとれる。この枝豆をつぶしてずんだをつくり、甘く味つけして餡(あん)にする。搗(つ)きたての餅を小さくちぎり、ずんだ餡をまぶしたのがずんだ餅である。くるみ餅、ごま餅などとあわせて三色餅として用いることが多い。仙台塩竈(しおがま)には、枝豆の季節になると、ずんだ餅を食べさせる店もあるが、一般には客をもてなすときなどに家庭でつくられる。

[堤 方子]


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事典 日本の地域ブランド・名産品 「ずんだ餅」の解説

ずんだ餅[菓子]
ずんだもち

東北地方、宮城県の地域ブランド
宮城県を代表する餅菓子。枝豆をすりつぶした餡を餅にからめる。ずんだの由来諸説あるが、豆を打ってつくるため、豆打(ずだ)が訛ったという説が有力。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

世界大百科事典(旧版)内のずんだ餅の言及

【餅】より

…例えば宮城県では正月の儀礼食としての餅のほかに,混餅(まぜもち)という日常食用の餅が多く作られた。もち米に雑穀や山菜,野菜などを入れて搗いたもので,蓬餅(よもぎもち),葛餅(くずもち),蕨餅(わらびもち),牛蒡餅(ごぼうもち),栗粉餅(くりこもち),柿餅,栃餅,粟餅,味噌餅,海苔餅(のりもち),松皮餅(まつかわもち),豆餅などがあり,調味による特殊な餅として,枝豆をつぶしてつけたズンダ餅や納豆餅,田楽餅などがあり,さらに季節的には茄子餅(なすもち),柏餅,雪餅,藁餅,笹餅などの蒸餅があったという。このように地方によっては山野や海浜の採集物や栽培物を混ぜこんだ餅は多種類に及び,けっして餅は儀礼食としてだけ重視されたものではない。…

※「ずんだ餅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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