ボーア効果(読み)ボーアコウカ

デジタル大辞泉 「ボーア効果」の意味・読み・例文・類語

ボーア‐こうか〔‐カウクワ〕【ボーア効果】

生体組織内の二酸化炭素の量に応じて赤血球ヘモグロビン酸素解離曲線が移動する現象。ヘモグロビンは組織内が酸性になると酸素を離し、肺などの二酸化炭素が少ない環境になると、酸素と結合しやすくなる。デンマークの生理学者C=ボーアN=ボーアの父)により発見

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法則の辞典 「ボーア効果」の解説

ボーア効果【Bohr effect】

ヘモグロビンの酸素吸収能力が,血液中の炭酸塩イオン濃度によって影響を受けるという現象.

この効果を発見したクリスティアン・ボーアは,有名な物理学者ニールス・ボーア父君であるが,彼の活躍した時代には,まだ今日風の溶液内平衡論や反応速度論は完成していなかった.現実にはヘモグロビンの酸素錯体形成のpH依存性にほかならない.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のボーア効果の言及

【血液】より

…組織で二酸化炭素が増加して酸性になると,ヘモグロビンは酸素を離し,逆に肺では炭酸が呼出されるのでヘモグロビンは酸素と結合しやすい。この性質はデンマークの生理学者であるボーアChristian H.L.P.E.Bohr(1855‐1911)により発見されたもので,彼の名にちなんでボーア効果とよばれている(図2)。(2)生体防御 人体は自然界に存在する無数の病原体にさらされている。…

【ヘモグロビン】より

…その結果,酸素吸着曲線はS字形になり,肺で十分に酸素を結合し,組織で容易に離脱させることが可能になる。また,溶液が酸性になると酸素を離脱しやすくなる(ボーア効果)。活動中の筋肉は多量の酸素を消費するが,その結果,血液が酸性になるので,より能率よく酸素が供給される。…

※「ボーア効果」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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