日本歴史地名大系 「丹生郡」の解説
丹生郡
にうぐん
現丹生郡は越前国の西部にあり、大部分が山地で、北は福井市、東は福井市と鯖江市、南は武生市・南条郡
古代の丹生郡は弘仁一四年(八二三)六月四日に分置された今立郡を含み(日本紀略)、また現丹生郡のほぼ中央にある
「和名抄」は刊本郡部に「爾不」、東急本に「尓布」と訓ずる。郡名は天平三年(七三一)一月二六日付越前国正税帳(正倉院文書)に「丹生郡」とみえるのが早い。丹生とは丹(朱)の出るところ、すなわち朱砂(水銀鉱)の産地を意味するともいわれる。同正税帳に「郡司主帳无位丹生直伊可豆智」と郡名を負う人名がみえ、このほか郡名は天平一七年四月一八日・天平宝字六年(七六二)一二月一三日付平城宮出土木簡などにも記される。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報