永井一正(読み)ながいかずまさ

百科事典マイペディア 「永井一正」の意味・わかりやすい解説

永井一正【ながいかずまさ】

グラフィックデザイナー。大阪府生れ。東京芸大中退。精緻に計算された構成をもつ作家性の高いポスターを数多く生み出してきた。1960年日本デザインセンターの設立参加。商品写真を全面に出した秀作《アサヒスタイニー》ポスター(1965年)も名高いが,表現者としては抽象表現を追求し幾何学的パターンによる《生長の話》ポスター(1966年)や版画作品を発表する。1981年の開館時から富山県立近代美術館のポスターを手がける。琳派などを想起させる日本的装飾を抽象表現に採り入れ,1988年頃から動物などをモティーフにしたポスター作品を展開。その象徴性の高い表現は,近年より深みを増している。札幌オリンピックなどのシンボル・マークのデザイナーとしても傑出した作品を残している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「永井一正」の意味・わかりやすい解説

永井一正
ながいかずまさ

[生]1929.4.20. 大阪
グラフィック・デザイナー。1951年東京芸術大学彫刻科中退。1960年日本デザインセンターの設立に参加,1975年社長に就任した。抽象的形態によるデザインが特徴札幌オリンピック冬季競技大会公式マークなど各種マークに優れた作品が多い。空押しによる版画の作品でも知られる。1966年ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ金賞,毎日産業デザイン賞,1988年芸術選奨文部大臣賞受賞。1989年紫綬褒章,1999年勲四等旭日小綬章受章。作品集『永井一正の世界』(1985)がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「永井一正」の解説

永井一正 ながい-かずまさ

1929- 昭和後期-平成時代のグラフィックデザイナー,版画家。
昭和4年4月20日生まれ。昭和35年日本デザインセンターの設立に参加。札幌冬季五輪,沖縄海洋博シンボルマーク,世界デザイン博のシンボルマークと公式ポスターなどを手がける。版画家としても国際的に活躍。平成6年毎日芸術賞,12年亀倉雄策賞。日本グラフィックデザイン協会会長,日本グラフィックデザイナー協会理事などをつとめる。大阪出身。東京芸大中退。

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