朝日日本歴史人物事典 「源英明」の解説
源英明
生年:生年不詳
平安中期の官人で歌人,漢詩人。宇多天皇皇子の斉世親王と菅原道真の娘の子。賜姓源氏。延長4(926)年,父から執筆途中の『慈覚大師伝』をゆだねられ,父の死後これを完成させた。清書を小野道風に依頼したが,装丁のできないうちに死去。漢詩を得意とし「詩境には無限上手なり」と評された。一方,色好みで有名な「交野の少将」とあだ名されたこともある。法性寺(京都市東山区)での国忌の法会に,公卿にしか許されていない檳榔車に乗って参上,それを咎めた藤原朝成に対し,乗ってはいけない例を示してほしい,とやりこめた話も伝わる。『本朝文粋』に漢詩を収める。
(朧谷寿)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報