誰が（読み）タガ

デジタル大辞泉

た‐が【^▽誰が】

［連語］《代名詞「た」＋格助詞「が」》
１ （連体修飾語としての用法）だれの。「―ために鐘は鳴る」
「防人にゆくは―背と問ふ人を見るがともしさ物思ものもひもせず」〈万・四四二五〉
２ （主語としての用法）だれが。
「―踏みそめしかたみぞと」〈藤村・初恋〉
「玉簾―許さばかひま求むべき」〈伊勢・六四〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

た‐が【誰が】

〘連語〙 (代名詞「た」に助詞「が」の付いたもの)

① (連体修飾語になる) だれの。

※古事記（712）下・歌謡「大和へに 行くは多賀(タガ)夫(つま)」

※源氏（1001‐14頃）夕顔「七日七日に仏かかせてもたがためとか、心のうちにも思はん」

② (主語になる) だれが。だが。

※伊勢物語（１０Ｃ前）六四「とりとめぬ風にはありとも玉簾たがゆるさばかひま求むべき」

だ‐が【誰が】

〘連語〙 (「だれが」の「れ」が脱落したもの) ＝たが（誰）②

※雑俳・柳多留‐一五（1780）「だがなまり武士といったと妾せき」

※滑稽本・浮世風呂（1809‐13）二「誰(ダ)が来たのう。たまたまの湯へ来ても直にお迎ひだ」

出典　精選版 日本国語大辞典