普及版 字通 「那(漢字)」の読み・字形・画数・意味
那
常用漢字 7画
(旧字)
7画
[字訓] うつくしい・おおい・なんぞ
[説文解字]
[字形] 形声
旧字はに作り、もと(ぜん)に従って声。その転音と考えられる。〔説文〕六下に陝西の地名とする。〔爾雅、釈詁〕に「多きなり」とするが、それは多との通用義であるらしく、字は阿那(あだ)と連用して、花が美しく、枝がしなやかであることをいう。阿儺・猗儺(あだ)などにも作り、形況の連語である。の初形が従うは(ほおひげ)の象形字で、多くてしなやかの意がある。また那何のように疑問詞に用い、〔左伝、宣二年〕「甲(よろひ)をつるは則ち(なん)ぞ」のようにいう。〔後漢書、韓康伝〕「は是れ韓伯休なる(か)」のように語末の助詞にも用いるが、これらは仮借の用法である。
[訓義]
1. うつくしい、しなやか、おおい、阿那。
2. なんぞ、いかん、いかんぞ。
3. 語末の助詞、また指示詞、あの、あれ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 ナンゾ・オホシ・ケヅル・カク・ホホタヲヤカナリ・イカデカ・オヨヨカナリ/阿 タヲヤカニ 〔立〕 エラブ・ナヅル・サダム・ナゾ・ナツク・カク・ヲリ・イカゾ・イカニ・ツクル・ホホ
[声系]
はもと声。声に・(ぜん)・(たん)などの字があり、みな、ながく美しく、しなやかの意がある。
[熟語]
那何▶・那火▶・那庚▶・那行▶・那豎▶・那個▶・那廂▶・那能▶・那辺▶・那落▶・那裏▶
[下接語]
阿那・猗那・支那・刹那・禅那・旦那・檀那・不那・無那
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報