果樹で,果実がたくさんなる年と少ししかならない年とが交互に現れることをいい,果実数の多い年をなり年または表年,少ない年を不なり年または裏年という。不なり年は収量が低い。一方なり年も果実数は多いが,果実は小型で糖含量が低く,着色も悪い。そのため,隔年結果が起こると収益は著しく低下する。強風のために落葉したり極端な低温や乾燥に遭遇したりすると,翌年の花数が減って隔年結果となる場合もあるが,普通は,果実数が多いと花芽の形成が抑制されるという果樹の特性のために起こる。つまり,樹体内に炭水化物が豊富にあると花芽の形成がさかんになるが,果実数が多い場合には,葉で作られた炭水化物の多くが果実の発育に消費されてしまうので,花芽の形成が不良となり,翌年の花数が少なくなる。したがって,隔年結果を防ぐためには,摘果を行って果実数を一定程度にまで減らすことが必要である。また,剪定(せんてい)によって結果枝の数を調節することも有効である。摘果や剪定のやり方がまずいと,多くの果樹が隔年結果性を示すようになるが,特にかんきつ類,リンゴ,カキ,セイヨウナシなどではこの傾向が強い。
執筆者:杉山 信男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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