デジタル大辞泉
「えい」の意味・読み・例文・類語
えい
[感]
1 力を込めたり、勇気を奮い起こしたり、決断したりしたときに発する語。「えい、と投げつけた」「えい、やってしまえ」
2 応答の語。はい。ええ。
「―、といらへたりければ」〈宇治拾遺・一〉
3 驚いたり、激したりしたときに発する語。
「―、よい加減なことばかり」〈浄・薩摩歌〉
4 呼びかけや命令、念を押すときに発する語。
「やがて来い、―」〈虎明狂・末広がり〉
5 歌などの囃子詞。
「―、―、烏がな烏がな」〈浄・冥途の飛脚〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
えい
〘感動〙
① 人の呼び掛けに対して答える時に発することば。
※宇治拾遺(1221頃)一「すべなくて、
無期(むご)ののちに『ゑい』といらへたりければ、僧達笑ふ事かぎりなし」
② 驚いて問い返す時などに発することば。
※
謡曲・
烏帽子折(1480頃)「『例の小男おっ取り合ひ、
兄弟の者の細首を、ただひと討ちに討ち落としたると申し候』『えいなにとなにと』」
③ 力を入れようとする時、決断する時などに発することば。
※
平家(13C前)一一「その時こやねたぢからをといふ大
(だい)ぢからの神よって、ゑいといひてあけ給ひしよりしてたてられずといへり」
④ 人に呼び掛ける時に発することば。
※
源平盛衰記(14C前)六「此の程風気
(ふうき)有て見参に入らずと云へ、曳
(エイ)とて出合
(あは)れず」
⑤ 強く感動したり驚いたりした時に発することば。
※波形本狂言・
素袍落(室町末‐近世初)「ヱイ太良冠者、なんとおもふて来た」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報