お松(読み)おまつ

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「お松」の解説

お松 おまつ

1663-1686 江戸時代前期の女性。
寛文3年生まれ。生地阿波(あわ)那賀郡(なかぐん)加茂村(徳島県阿南市)の郷士西新五郎と結婚するが,まもなく死別借金のかたに不当にとりあげられた土地をとりもどせという夫の遺言にしたがって役所にうったえるが相手にされず,貞享(じょうきょう)3年徳島藩主に直訴(じきそ),同年3月16日打ち首となった。24歳。のちお松権現としてまつられた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のお松の言及

【鳥追お松】より

…明治初期毒婦小説の代表的ヒロイン。お松が実在の人物かどうかは未詳だが,1877‐78年久保田彦作の《鳥追阿松海上新話》が《仮名読新聞》に連載された当時は,〈小屋粂三(くめさ)〉といわれて評判高く,実在性が信じられていた。慶応末年に22,23歳の鳥追女が江戸の武家邸長屋窓などを新内節で流し,若者の血をおどらせた。…

※「お松」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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