精選版 日本国語大辞典 「直訴」の意味・読み・例文・類語
じき‐そ ヂキ‥【直訴】
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中・近世の訴訟形態の一つで、所定の手続を経ないで直接に上部権力に訴え出ることをいう。鎌倉・室町期までは、荘園本所(ほんじょ)関係の訴訟で挙状(きょじょう)(仲介の書状)を帯しないもの、または判決の出されたものを再訴することを越訴(おっそ)といい、一般に禁止されていた。越訴の前者の意味が直訴に近いものであるが、幕府や朝廷または中央荘園(しょうえん)領主へ訴訟を行うことが一般化していた当時においては、とくに直訴を問題にしなかった。しかし、戦国期には奏者(取次人)を通す訴訟が確立して、この手続を無視した直接訴訟、いわゆる直訴を多くの大名が禁止するようになる。たとえば今川氏、武田氏、六角(ろっかく)氏などはその分国法中に直訴禁止規定を設けており、織田信長などもこれを禁止している。このような政策は、さらに江戸幕府にも継承された。近世では直訴は駈込訴(かけこみうったえ)、駕籠訴(かごそ)などとともに広い意味での越訴とされ、とくに村役人などの手を経ずに将軍や領主に対して行われるものを直訴といい、これに対しては厳罰が科せられた。
[大久保俊昭]
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将軍・老中・領主などに所定の手続きをふまずに訴えること。越訴の行為態様の一種。1721年(享保6)に設けられた目安箱は合法的直訴。通説では直訴には厳罰が科せられたとするが,処罰は訴訟の理非によるとの立場が有力。一般的には非合法な訴えとみるべきだが,管轄役所の不取次により直訴した場合などは訴状が受理された。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…戦国大名は,六角氏,長宗我部氏のように,家法によって再審請求を禁止する方向をとった。【山本 博也】
[近世]
近世では,訴訟の法に定められた順序を乱す違法な直訴(じきそ)のさまざまな方法を広く指す言葉となった。武士・公家から庶民に至るまで,一方では私的な争論を禁じ,他方では順を踏まない越訴を禁じて,訴訟の制度にもとづき大小の紛争を解決するというのが江戸幕府のたてまえであったが,実際には越訴は根絶できず,それへの対処も変化した。…
…惣百姓による集団的な直訴行動。江戸時代の百姓一揆の中心的な闘争形態。…
…一般的な手続過誤のほか,(1)賦(くばり)奉行が訴状を受け取りながら所定の手続をとらず,他の奉行に訴えたがなお進行しない(訴が裁判所に係属しない)場合,庭中方管領から担当奉行に命じて手続を進行させる,(2)寺社本所領に関する訴訟で,幕府の執行命令が20日以上停滞した場合,庭中方管領から担当引付方に厳重に督促する,という制度であった。なお室町幕府では正式の手続をとらない将軍への直訴を庭中ということがあり,原則として禁止されていた。16世紀ころには,庭中と越訴の厳密な区別は失われ,ともに正規の手続を経ない権力者への直訴を意味するようになり,《日葡辞書》では主君を路上に待ちうけて請願書を提出すること,と説明している。…
※「直訴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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