チョウジガイ(読み)ちょうじがい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チョウジガイ」の意味・わかりやすい解説

チョウジガイ
ちょうじがい / 丁子介
丁字貝

腔腸(こうちょう)動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イシサンゴ目チョウジガイ科チョウジガイ亜科の海産動物の総称、およびそのなかの1種。この類は囲壁が隔壁間に発達する骨格であるセプトテカからできていて、骨格は多孔性ではない。単体で、囲壁と軸柱をつなぐエンドテカがなく、骨格は莢(きょう)内のみがポリプの組織に覆われ、外壁は骨格がむき出しになる。

 和名チョウジガイCaryophyllia japonicaは逆円錐(えんすい)形で、莢径約1センチメートル、高さ1.5~2センチメートルで、日本沿岸の水深50~250メートルに普通にみられる。そのほか、インド洋、太平洋に広く分布する。近縁種にらっぱ状のアサガオチョウジガイ、くさび形のフリジアサンゴ、円板状のギンカサンゴ、楕円筒(だえんとう)形のチョウジガイモドキ、巻き貝を包み込むムシノスチョウジガイ、下部に6本の脚(あし)状棘(きょく)をもつアシナガサンゴなどがあり、いずれもやや深所に産する。

[内田紘臣]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チョウジガイ」の意味・わかりやすい解説

チョウジガイ
Caryophyllia japonica

刺胞動物門花虫綱六放サンゴ亜綱イシサンゴ目チョウジガイ科。高さ 2cmほどになる円錐形の単体サンゴで,やや広くなった基部岩石などに着生する。莢口は直径 1cmほどの円形で,莢内の隔壁は 48個あり,大小が交互に並んでいる。触手も 48本。1888年に相模湾江の島沖から世界で最初に報告された。日本周辺の水深 50~250mの大陸棚上に普通に見られ,南太平洋まで広く分布する。(→刺胞動物花虫類無脊椎動物

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