ラベロマナナ(英語表記)Ravalomanana, Marc

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラベロマナナ」の意味・わかりやすい解説

ラベロマナナ
Ravalomanana, Marc

[生]1949.12.12. フランス植民地マダガスカル,イメリカシナ
マダガスカルの起業家,政治家。大統領(在任 2002~09)。故郷の村とスウェーデンのプロテスタント系学校で教育を受けた。帰国後,首都アンタナナリボで同族企業ティコを設立。プロテスタント教会の協力を得て,世界銀行の融資を獲得した。ティコはのちにマダガスカル最大の国内企業となった。1999年アンタナナリボ市長に選出。2001年の大統領選挙に立候補し,現職のディディエ・ラチラカに挑んだ。選挙後,ラベロマナナは票の不正操作があったと主張,多数の支持を背景に一方的に勝利を宣言し,就任式を行なって組閣を開始した。国際社会はこれを承認せず,国内ではラチラカ支持者とラベロマナナ支持者が衝突した。2002年夏にはラベロマナナ派がそれまでラチラカ派の牙城だった地域を制圧し,国際社会もラベロマナナ政権を承認した。ラベロマナナはただちに経済改革を実行し,分裂した国民感情を和解に導くために尽力した。2006年再選。2008年末,アンタナナリボ市長で人気のある野党党首のアンドリー・ラジョリナから,公金横領と,独裁者のような強権的な手法を非難され,退陣を求められた。国際社会の支持は得ていたものの,国内では軍の支持を失い,世情不安も続いた。2009年3月辞任,軍に権力を譲った。軍の指導者は,すでに大統領宣言を行なっていたラジョリナに権力をゆだねた。ラベロマナナはアフリカ本土に亡命した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android