双数(読み)ソウスウ

デジタル大辞泉 「双数」の意味・読み・例文・類語

そう‐すう〔サウ‐〕【双数】

ある種の言語にみられる、文法範疇はんちゅうとしての数の一。目・手など常に対をなすもの、対をなす神々、さらに一般的に二つのものについて、これを示す特別の語形をもつ言語があり、その特別の語形をいう。サンスクリット・ギリシャ語など古い層の印欧語、インドのムンダ語、南アジアのモン‐クメール語などにみられる。多くの言語では複数の中に入れられ、日本語にも文法範疇としての双数はない。両数

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精選版 日本国語大辞典 「双数」の意味・読み・例文・類語

そう‐すう サウ‥【双数】

〘名〙 言語学上の用語。数(すう)の文法形式の一つで、たとえば両手両足のように対をなす事物を一般の複数とは区別して表わすもの。サンスクリット、ギリシア語アラビア語などに見られる。両数。

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普及版 字通 「双数」の読み・字形・画数・意味

【双数】そうすう

偶数

字通「双」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の双数の言及

【数】より

…なおこれに複数接尾辞がつく場合は,kitaplarとなる)。 また言語によっては,単数・複数に加えて〈二つ〉をあらわすのに特別な形式をもつものがあり,これを双数あるいは両数と呼ぶ。インド・ヨーロッパ語ではギリシア語やサンスクリットにみられたが,現代語では消滅した。…

【数】より

…2は1に1を加えたものには違いないが,一方で2は対として1組という性格ももっている。さまざまな言語,とくに古代語の名詞において,単数,複数のほかに双数または両数dualという形をもつものがあり,多くはしだいに複数形に吸収されてしまうが,これらは単に1足す1としての2ではなく,〈対〉としての2が起源ではなかったかと考えられる。対となるものは私たちのまわりにはいくらでもある。…

※「双数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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