南アジア(読み)ミナミアジア

百科事典マイペディアの解説

南アジア【みなみアジア】

アジア大陸南部の地域。ヒマラヤ山脈以南,ヒンドゥークシ山脈,イラン高原の東,アラカン山脈の西に位置し,南の部分はインド洋に突出した半島状をなすため,インド亜大陸とも呼ばれる。インドパキスタンバングラデシュネパールブータンスリランカモルディブがある。インド・アーリヤ系,ドラビダ系,チベット・ビルマ語系,アウストロアジア語系などに属す,1000以上の言語が使用される。また,ヒンドゥー教,イスラム,仏教,キリスト教など宗教的にも非常に多様である。約449万km2。約14億6300万人(2001)。〔歴史〕 前3000年−前1500年ころインダス文明が栄え,前16世紀以降アーリヤ人がガンガー川流域を東進し,ベーダ文化および,カースト制度の基となるバルナ制度を形成した。前6−前4世紀北東部に仏教王国が形成され,前4−前2世紀マウリヤ朝が出現,アショーカは大帝国を建設した。1−3世紀にはクシャーナ朝が北西部を支配,ガンダーラ美術を生んだ。4−6世紀グプタ朝が北部を統一したが,7世紀のハルシャ・バルダナ王の帝国を最後のヒンドゥー教国として以後諸王朝が分立した。8世紀にインダス下流域にイスラム勢力が進出,ガズナ朝ゴール朝などのデリー・サルタナットが興隆し,1526年にはムガル帝国が興った。16世紀以後,西欧諸国が南部の海岸に進出,イギリス東インド会社を中心に英国が勢力を拡大,プラッシーの戦で支配の基礎をかためた。1857年のインド大反乱の後,ムガル帝国が滅亡,英本国の直接統治が始まり,インド帝国が成立した。19世紀末から,民族運動,反英運動が高揚し,国民会議派ムスリム連盟が結成された。インド統治法によって次第に自治が拡大されていったが,1920年−1930年代の民族運動は,自治要求から独立達成を目標とするようになった。一方,ヒンドゥー,イスラムの対立(コミュナリズム)は深まった。1946年英国がインド独立案を提示したが,1947年ヒンドゥー教徒の多いインドとイスラムの支配的なパキスタンに分離独立した。南アジア地域は全体にインド文化の強い影響を受けており,国家的規模においてもインドが群を抜く大国である。独立後,インド・パキスタン両国はカシミール地方をめぐってインド・パキスタン戦争を戦い,1971年には,パキスタンからバングラデシュが独立した。印パ両国の対立・緊張関係は,この地域の最大の不安定要因となっている。また,タミル問題を抱えるスリランカ・インド関係,チベット問題をはさんだ中国との関係も重要である。ほかの南アジア諸国もすべて英国支配を経て独立した。ネパールおよびブータンは王国で,スリランカ,モルディブは島国である。→南アジア地域協力連合
→関連項目アジア

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大辞林 第三版の解説

みなみアジア【南アジア】

アジア大陸南部、インド半島を中心とした地域。インド・パキスタン・バングラデシュ・スリランカ・ネパール・ブータンの諸国の総称。広義にはアフガニスタンを含める。

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世界大百科事典内の南アジアの言及

【インド[国]】より

…ただしジャンムー・カシミール州を除いた数字)。南アジア世界の中央に位置し,西から順にアフガニスタン,パキスタン,中国(新疆ウイグルおよびチベット両自治区),ネパール,ブータン,バングラデシュ,ミャンマーの7ヵ国と国境を接するほか,逆三角形の半島部のすぐ南東の海上にスリランカ,南西の海上ややへだたった位置にモルジブの両国がある。ただし,パキスタンおよび中国との国境が完全には確定しておらず,アフガニスタンに接するはずの部分は,そのため実際にはパキスタンの支配下におかれている。…

【インド】より

…西はトバカカール山脈,北はカラコルム,ヒマラヤ両山脈,東はアラカン山脈によって画され,南はインド洋に大きく逆三角形状に突出する一大半島部は,アジア大陸の一部ではあるが,亜大陸とよぶにふさわしい規模と相対的独立性とをもち,インド亜大陸とよばれる。そこは南アジアともよばれ,インド(バーラト),パキスタン・イスラム共和国,バングラデシュ人民共和国,ネパール王国,ブータンスリランカ民主社会主義共和国およびインド洋上のモルジブ共和国の7ヵ国からなる(現代の各国についてはそれぞれの項を参照)。その総面積は449万km2で,旧ソ連邦を除くヨーロッパ大陸の494万km2にほぼ匹敵する。…

※「南アジア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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