大枝山(読み)おおえやま

日本歴史地名大系 「大枝山」の解説

大枝山
おおえやま

山城沓掛くつかけ村と丹波桑田くわたしの(現亀岡市)との間の山塊。最高点はおいさか南方の標高四八〇メートル。「日本後紀」に大井山、「万葉集」ほかに大江山と記す。古歌や説話では老ノ坂そのものをさすことが多い。

「日本後紀」大同元年(八〇六)三月二三日条に「大井・比叡・小野・栗栖野等山共焼、煙灰四満、京中昼昏」と出、「続日本後紀」承和九年(八四二)七月一七日条には「清原真人秋雄守大枝道」とみえる。酒呑童子説話の大江山ともいうが、これは丹波丹後の境(現京都府下の大江町と加悦町の境)の大江山とする説が有力である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大枝山」の意味・わかりやすい解説

大枝山
おおえやま

京都府南西部、京都盆地亀岡盆地の間にある山塊。歌枕(うたまくら)の「大江山」は大枝山の老(おい)ノ坂峠(大枝峠)をさすといわれる。

[編集部]

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百科事典マイペディア 「大枝山」の意味・わかりやすい解説

大枝山【おおえやま】

老ノ坂大枝山関

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世界大百科事典(旧版)内の大枝山の言及

【老ノ坂】より

…老ノ坂山地(西山)はポンポン山(679m)を最高峰とする古生層の山地で,山城・丹波両国の境界をなす。古くは大枝(おおえ)山または大江山とも呼ばれ,源頼光が酒呑童子を退治した伝説が残る。京都市と亀岡市の境の老ノ坂峠(260m)は山陰道の要衝であり,山城の西の重要な出入口で,近世には宿場町ができていた。…

【大枝山関(大江山関)】より

…山城国乙訓郡(現,京都市西京区大枝)の関所。古代の山陰道は都と丹波以西8ヵ国の国府を結ぶが,奈良・平安の両時代とも,山城・丹波国境の大枝山(現,老ノ坂峠)を越えて丹波国に入った。平安京の時代には大枝山は,逢坂・竜華・山崎・宇治・淀などと並ぶ交通の要衝で,山城国五道,山城国四堺の一つと呼ばれ,山の手前に関所が設けられた。…

※「大枝山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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