大若子命(読み)おおわくごのみこと

朝日日本歴史人物事典 「大若子命」の解説

大若子命

説話上の伊勢神宮の初代大神主伊勢外宮神主家としての度会氏において祖先とされた神である。『倭姫命世紀』『豊受大神宮禰宜補任次第』などによると,垂仁天皇の代の伊勢内宮鎮座の際,自らの領する櫛田川以東の伊勢国(三重県)南部を神宮に納め,その地の支配者として神国造となり,大神宮大神主を兼ねたという。また越の国(福井,石川,富山,新潟)征討に行くよう命を受け,その平定の報告をしたところ,朝廷から大幡主の名を与えられた。神国造兼大神主は大若子命の子孫が継ぎ,外宮創建後は内外両宮大神主となり,のちには外宮神主のみとなる。

(白山芳太郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大若子命」の解説

大若子命 おおわくごのみこと

伝承上の伊勢(いせ)神宮の初代大神主。
天日別命の子孫。度会(わたらい)氏の祖先神。倭姫(やまとひめの)命が天照大神を伊勢神宮にしずめまつったとき,南伊勢(三重県)の豪族として協力したため,神国造(かみのくにのみやつこ)と神宮の大神主に任じられた。別名に大幡主(おおはたぬし)。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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