日本大百科全書(ニッポニカ) 「尾形亀之助」の意味・わかりやすい解説
尾形亀之助
おがたかめのすけ
(1900―1942)
詩人。宮城県に生まれる。東北学院普通部中退。油絵を未来派展に出したりしたが、村山知義(ともよし)らと『MAVO』を結成し、主としてアナキスト系の詩人と交わった。色彩感覚の優れた詩風の底に虚無的な想念をただよわせ、『色ガラスの街』(1925)、『雨になる朝』(1929)、『障子のある家』(1930)の3詩集を出した。『亜(あ)』『銅鑼(どら)』『歴程』などに参加し、短詩や新散文詩の運動にかかわった。
[角田敏郎]
『草野心平・秋元潔編『尾形亀之助全集』全1巻(1970・思潮社)』▽『工藤信彦著「尾形亀之助」(『現代詩鑑賞講座8』所収・1969・角川書店)』