尾形亀之助(読み)おがたかめのすけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「尾形亀之助」の意味・わかりやすい解説

尾形亀之助
おがたかめのすけ
(1900―1942)

詩人。宮城県に生まれる。東北学院普通部中退。油絵を未来派展に出したりしたが、村山知義(ともよし)らと『MAVO』を結成し、主としてアナキスト系の詩人と交わった。色彩感覚の優れた詩風の底に虚無的な想念をただよわせ、『色ガラスの街』(1925)、『雨になる朝』(1929)、『障子のある家』(1930)の3詩集を出した。『亜(あ)』『銅鑼(どら)』『歴程』などに参加し、短詩や新散文詩の運動にかかわった。

[角田敏郎]

『草野心平・秋元潔編『尾形亀之助全集』全1巻(1970・思潮社)』『工藤信彦著「尾形亀之助」(『現代詩鑑賞講座8』所収・1969・角川書店)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「尾形亀之助」の解説

尾形亀之助 おがた-かめのすけ

1900-1942 大正-昭和時代前期の詩人。
明治33年12月12日生まれ。画家をこころざし,上京して村山知義らと前衛美術団体マヴォを結成。詩誌「亜」の同人となり,大正14年「色ガラスの街」を出版。「銅鑼(どら)」「歴程」などに作品を発表した。昭和17年12月2日死去。43歳。宮城県出身。東北学院中退。詩集に「雨になる朝」「障子のある家」など。

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