歴程
れきてい
詩雑誌。1935年(昭和10)5月創刊。歴程社発行。同人は逸見猶吉(へんみゆうきち)、草野心平(くさのしんぺい)、岡崎清一郎、尾形亀之助(かめのすけ)、土方(ひじかた)定一、高橋新吉、菱山(ひしやま)修三、中原中也(ちゅうや)の8名で出発、のちに山之口貘(やまのぐちばく)、尾崎喜八ほかが加わり、45年までに26号出している。第二次世界大戦後は47年(昭和22)7月に復刊、草野心平を中心にして刊行。同人は創刊時の10倍以上になり、会田綱雄(あいだつなお)、金井直(ちょく)、宗左近(そうさこん)、生野(しょうの)幸吉、山本太郎、吉原幸子(よしはらさちこ)ほか多くの個性的な詩人を輩出した。一つの主義主張のための集まりではなく、「同人一人一人が自分の主張に基づいて、自分の方法を採用すればいい」(鳥見迅彦(とみはやひこ))というところに特色がある。歴程セミナーや藤村記念歴程賞・歴程新鋭賞を設け、活発な詩活動を続けている。
[首藤基澄]
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れき‐てい【歴程】
[1] 〘名〙 経てきたみちすじ。
※美的生活を論ず(1901)〈
高山樗牛〉五「道徳哲学の歴史は
是の
流転の歴程を示めして余りあるを見ずや」
[2] 詩雑誌。昭和一〇年(
一九三五)草野心平を中心に逸見猶吉、土方定一、中原中也らにより創刊。同人・寄稿者に
金子光晴、高村光太郎、
宮沢賢治、尾崎喜八、吉田一穂、山之口貘らがいて、数次の
アンソロジー「歴程詩集」が編まれた。同二〇年までに二六号刊行。同二二年に再刊。戦後の同人に
安西均、堀田善衛、井上靖、
串田孫一らがいる。
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れきてい【歴程】
詩誌。1935年5月創刊。創刊号の編集兼発行人は逸見猶吉(へんみゆうきち)。歴程社発行。当初の同人は草野心平,逸見を中心に岡崎清一郎,尾形亀之助,高橋新吉,中原中也,菱山修三,土方定一の8名。つづいて松永延造,菊岡久利,山之口貘,藤原定,尾崎喜八,黄瀛(こうえい),小野十三郎,伊藤信吉,山本和夫,大江満雄,馬淵美意子,赤木健介,平田内蔵吉らが加わった。宮沢賢治,八木重吉の遺作も掲載し,高村光太郎や金子光晴らの寄稿も加え,戦前戦中に26冊を発行した。
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世界大百科事典内の歴程の言及
【詩】より
…先輩格として室生犀星,萩原朔太郎も深い関係をもった。一方,草野心平,逸見猶吉,高橋新吉,菱山修三,中原中也,山之口貘,伊藤信吉らは《歴程》(1935創刊)に拠り,それぞれの個性的な詩風を展開すると同時に,宮沢賢治,八木重吉ら物故詩人の仕事の顕彰につとめた。《歴程》には高村光太郎や金子光晴も寄稿した。…
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