布佐(読み)ふさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「布佐」の意味・わかりやすい解説

布佐
ふさ

千葉県北西部、我孫子市(あびこし)東端の一地区。江戸前期、江戸湾へ流れていた利根(とね)川が銚子(ちょうし)へと流路をかえられて以後、東北と江戸を結ぶ水運が盛んになり、布佐はその河港町となり水陸交通の要地として栄えた。銚子の鮮魚布佐河岸(かし)に荷揚げし、陸路松戸河岸まで送られ、ふたたび江戸川水運によって江戸へ輸送された。近くの手賀沼は第二次世界大戦後、干拓水田が造成され、沼の面積は減少した。

[山村順次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「布佐」の意味・わかりやすい解説

布佐
ふさ

千葉県北西部,我孫子市東部,利根川右岸にある地区。旧町名。 1888年町制。 1955年我孫子町と合体,70年我孫子市となる。近世から明治時代にかけて利根川水運の河港としてにぎわった。東京への通勤者が増加し,宅地開発が進められている。

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世界大百科事典(旧版)内の布佐の言及

【我孫子[市]】より

…人口12万4257(1995)。近世,利根川の河港であった東端の布佐は銚子から生魚を運んで開く魚市場でもあった。また同じく河港であった我孫子は水戸街道の宿場町として栄えた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」