枯尾花(読み)かれおばな

精選版 日本国語大辞典 「枯尾花」の意味・読み・例文・類語

かれ‐おばな ‥をばな【枯尾花】

[1] 〘名〙 枯れススキの穂。《季・冬》
※俳諧・雪の尾花(1774)「ともかくもならでや雪のかれお花〈芭蕉〉」
読本椿説弓張月(1807‐11)後「小笹にまじる枯尾花の招くより外は、宿貸べき家もあらず」
[2] 江戸時代前期の俳諧集。二冊。其角編。元祿七年(一六九四)刊。其角の「芭蕉翁終焉記」以下、門人による芭蕉追悼追善連句発句を収める。芭蕉研究の重要な資料。

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改訂新版 世界大百科事典 「枯尾花」の意味・わかりやすい解説

枯尾花 (かれおばな)

俳諧集。其角編の芭蕉追善集。1694年(元禄7)刊。2巻。上巻は其角の《芭蕉翁終焉記》,および元禄7年10月18日に義仲寺で興行された,〈なきがらを笠に隠すや枯尾花〉を発句とした其角と大津,膳所(ぜぜ),京都,大坂,伊賀の連衆による追善の俳諧百韻,それに上記諸国の人々の追悼発句から成る。下巻は嵐雪の墓参文,江戸における嵐雪,杉風(さんぷう),湖春らによる追悼歌仙4巻,丸山量阿弥亭における初月忌百韻,義仲寺における六七日追悼歌仙などを収める。追悼の発句を寄せた人には,門人のほかに,季吟露沾ろせん),素堂らがある。
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