柏原瓦全(読み)かしわばら・がぜん

朝日日本歴史人物事典 「柏原瓦全」の解説

柏原瓦全

没年:文政8.1.27(1825.3.16)
生年:延享1(1744)
江戸中・後期俳人。名は員仍。通称嘉助。鳩叩斎とも号した。京都の今出川・八条殿町などに住んで,京扇の商いに従事。国学伴蒿蹊に学び,俳諧は蝶夢に師事した。ことに師を敬する情あつく,蝶夢の遺著『俳諧童子教』『蝶夢和尚文集』を出版したり,松尾芭蕉,蝶夢の句碑を建立したりして,顕彰に努めた。著書は多く,『職人尽発句合』や自身の文を集めた『根無草』などがある。なお「鹿鳴てながめられけり夜の山」の句が喧伝され,「夜の山の瓦全」と称されたこともあった。

(楠元六男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「柏原瓦全」の解説

柏原瓦全 かしわばら-がぜん

1744-1826* 江戸時代中期-後期の俳人。
延享元年生まれ。京都の扇商。俳諧(はいかい)を五升庵蝶夢(ごしょうあん-ちょうむ)に,国学を伴蒿蹊(ばん-こうけい)にまなぶ。「徒然草」の「馬のきつりよう」の謎をはじめて解いた。文政8年11月27日死去。82歳。名は員仍。字(あざな)は子由。通称は嘉助。別号に五升庵,鳩笻。編著に「職人尽発句合」など。

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